Interview Vol:00 『Basement Brew Music Club』

Interview Vol:00 Interview

ようこそ、Basement Brew Music Clubへ。
ライブハウスであって、ライブハウスでないような、ここは真夜中の地下室。
これはファインダーとレンズ越しのライブではありますが、
普段、気づけなかったアーティストの別の魅力が少しでも届けば嬉しいです。
地下室でじっくり醸造された音楽たちをお楽しみください。

インタビュー記事の第一回目は Vol:00 として、このBasement Brew Music Clubの主催/企画者 倉坂直樹に、Basement Brew Music Club について聞いてみました。

コロナ渦とライブハウス、配信イベントの話

倉坂 はじめまして。主催者の倉坂と申します。

──今回、このBasement Brew Music Clubという企画をはじめた経緯を説明してもらえますか?

倉坂 はい。新型コロナウイルス騒ぎがあって、どこのライブハウスも休業になってしまい…

──はい

倉坂 無観客配信ライブをやる機会が増えまして…と、けっこう長くなっちゃいそうですが。

──長くても、ぜんぜん大丈夫です。配信ライブ自体にはそもそも賛成だったんですか?

倉坂 最初、配信ライブっていうのにはどっちかというと僕は否定的な方だったんですが…

──え?そうなんですね

倉坂 はい。ただ実際やってみたり、裏方で関わってみると生ライブとは違った楽しさというのももちろんあって。これはこれで楽しいな!…と(笑)

──いきなり、意見かわりましたね(笑)

倉坂 まぁ、柔軟なほうではあるので…(笑)

──(笑)

倉坂 ただね、”ライブ配信”は、どこまで行っても”ライブハウスで体験するライブの代替えにはならないとは思っていますけどね。

──ほー

倉坂 理由としては、配信用に仕上がったその映像にはどうしても”制作者の主観”が入ってしまうから。

──あー、たしかに

倉坂 ライブハウスの客席からステージを見てる時って極端な話、
お客さんは、歌っているボーカルを無視して30分間 ボーカルの横にいるギタリストだけを見続ける人だっているわけじゃないですか?

──はい。色んな見方ができますよね。私もベーシストを見てることが多いです(笑)

倉坂 うん。ライブ配信だと、当たり前だけどそれができない。
カメラマンがカメラ越しにかっこいいと思う瞬間を切り取ってスイッチャーがかっこいいと思う順番につないでるわけだから…

──そうですよね

倉坂 その出来上がった映像にはどうしても制作者の主観が入ってしまうでしょ?

──うん、うん

倉坂 そういえば、HOOK UP RECORDSの吉見さんとか”ワシはドラム見てたいのに!カメラを選べるようになればいいのに!”とかブツブツ言ってましたけど(笑)

──(笑)

倉坂 例えばね、LIVE DVDとしてパッケージされたものなら、それで良いと思うんです。
そもそも制作者の主観も含めてパッケージした作品だから。

──パッケージされたものってそうですよね。

倉坂 でも、やっぱりそれは”生で体験するライブの醍醐味”とは似て非なるもの。

──生ライブのライブの代替品?

倉坂 うーん…。代替品ではないかな…。そもそも別モノとして楽しむ感じというか…。

──”現場で体験するライブ”と”ライブ配信で体験するライブ”は似て非なる別モノってことですか?

倉坂 はい。でも、それぞれに良さがある。いや、もちろん悪いところもあると思いますが…

──最初は否定派だったけど、別モノと割り切れるようになった…ということですかね?

倉坂 うん。いまは配信イベントに対しての違和感もなく、僕は楽しく配信イベントを制作できていますよ。

──はい

倉坂 で、ただ…けっこう自分はへそ曲がりなほうなんですけど、みんなが配信イベントをやりだしたから、なんか別のこともやりたいな~…とか思っちゃって。

主観のゴリ押しのドキュメンタリー?

倉坂 へそ曲がりな性分が発動。 “ライブが開催できないから配信”というネガティブにとらえられそうなことを ポジティブに転換できないかな?…と。

──はいはい

倉坂 なんかね、ライブが出来ないから、ライブに似せたものを無理やりネット越しに提供する…以外のことがしたいな…って。

──具体的にはどういうことですか?

倉坂 さっきも話したんですけど…ライブ配信の映像って、制作者の主観がある意味でお客さんにとって邪魔になっちゃう時ってあると思うので。

──はいはい

倉坂 逆に、見ている人に “制作者の主観をゴリ押しするような映像” を作ってしまっても面白いんじゃないのか?

──逆に(笑)

倉坂 うん。あくまでライブハウスって場所でやるっていう基準はあるんですけど…。

──はい

倉坂 配信って…お家でもできちゃうじゃないですか?ライブハウスでやらなきゃ、僕的には意味がないので。

──うん

倉坂 ライブハウスを使って撮影はする。これは大前提。でも、ステージや照明はあえて使わずに、お客さんが普段は見ることのできない”素のライブハウス”で演奏してもらったら面白いんじゃないのか?

──ほうほう

倉坂 ちょっと前に流行ったフロアライブ…をもっとかっこよくやるイメージなんですが。スタジオライブの映像とか。

──はい

倉坂 あとハコ打ち(ライブハウスでの打ち上げ)の時の…、ライブハウスのフロアでみんなが楽しそうな良い空気感だしてる感じとか…。

──ほー

倉坂 あの…お客さんがあんまり見る機会のない感じを、うまく映像に落とし込めないもんかな?と思いまして。

──はい

倉坂 普段、僕がバンドを見ている時の目線を映像に落とし込んで、それをゴリ押ししてみても面白いんじゃないかな?…と。お客さんがあんまり見れないバンドの別の一面…みたいな。

──なるほど

倉坂 だから、ライブ映像…ってよりも、ライブ映像に限りなく近いドキュメンタリー…みたいなイメージなんですけど。

──情熱大陸 みたいな?

倉坂 いや、あそこまで…本物のドキュメンタリーではないですけど(笑) 結果、ドキュメンタリーっぽいなぁ…ぐらいのニュアンスです。

──なるほど、あくまで”っぽい”(笑)

FROM THE BASEMENTの話

倉坂 そもそも”FROM THE BASEMENT”という海外の番組が好きで。”FROM THE BASEMENT”のRADIOHEADの回とか好きで、よくYoutubeで見てて。


こんな感じの映像を撮ってみたいな…ってのは実は4~5年前から思ってたんですよね。

──そんなに前から?

倉坂 はい。…でも、映像に関してはまったくの素人なので、ずっとただの妄想話だったんですけど…
今回の配信ライブの準備で…、カメラを買ったり映像のことを調べたり…この2ヶ月ぐらいずっとしてたので…

──映像も撮れるようになった?

倉坂 いや、ぜんぜん撮れない(笑)。素人なんですけど、この機会にやりたいことやっとかないと、これは一生やらないな…と思って。

──撮れないんですか(笑)?

倉坂 うん。撮れないけど…(笑) 技術的な上手さはなくても、パンクバンド的なかっこよさというか…、ヘタウマでも…情熱押しでなんとならないかな…?という、見切り発車です(笑)

──パンクスピリット…(笑)

倉坂 バンドへの愛でゴリ押しというか。そういわけで生配信じゃなくて、フロアライブドキュメンタリーみたいに作れば…僕が映像を作る意味も多少はでてくるかもしれないかなぁ…って。

──”倉坂さんがやる意味”っていうのをけっこう重視してるんですね?

倉坂 そうかもですね。今ってみんな、ある程度はクオリティ高いものをパッとネットで発信しちゃうし、なんか人と差別化できないと…クオリティでの差別化って難しいとは思ってるので。そもそも映像…素人ですし(笑)

──(笑)

倉坂 まとめると、よし!”FROM THE BASEMENT”を僕の主観ゴリ押しでやるぞ!…みたいな、そんな感じです。

──FROM THE BASEMENTなんですね

倉坂 はい。身も蓋もないですけど…(笑)要はFROM THE BASEMENTを僕の周りのバンドとknaveを使ってやりたい!ですね。

──わかりやすい(笑)

倉坂 で重複しますけど…もちろん音楽を演奏するバンドがメインなんだけど、お客さんの見たい映像を提供するのではなく、僕の主観をゴリ押しして見ている人に提供する企画です。

──もう一つのコンセプトは”主観のゴリ押し”なんですね?

倉坂 はい。だからカメラも録音も編集もワンオペで基本的には僕が行います。…気力がきれたら外注するかもしれませんけど(笑)

──(笑)

倉坂 素人がどこまで出来るか…わかりませんでけど、画面越しに、こう…僕の情熱みたいなのを少しでも感じてもらえたなら、この企画は成功かもしれません。

──情熱押し…

倉坂 もうバンドを巻き込んだ僕のワガママです(笑) ワガママにお付き合いいただけましたらうれしいです…みたいな(笑)

カメラにいくら使ったんですか?

──話は変わりますけど…カメラを買ったと言われてましたけど…

倉坂 はい。もう勢いでめちゃくちゃ買いました(笑)

──めちゃくちゃ買った(笑)?

倉坂 うん。たぶん、この二ヶ月で…言ったら引かれるぐらいの金額を使いましたよ(笑)

──え、具体的には…?

倉坂 〇〇万円

──マジですか??

倉坂 マジです。なんかね…話がそれちゃうんですけど、あの…クラウドファンディングをやりまくってるじゃないですか?

──あ、はい。ライブハウスの話ですか?

倉坂 そうです。ぜんぜん…クラファン自体は否定派じゃなくて…むしろ賛成なんですけど…

──はい

倉坂 ”配信機材をそろえたいのでお金ください…”みたいなクラファンを見ると、なんだか複雑な気分にはなりまして。

──ふん、ふん

倉坂 けっこうな額ではあるんですけど…個人でもなんとかなる額なわけじゃないですか?それをいきなりクラウドファンディングで募る…ってのも、なんだかなぁ…って。

──うん

倉坂 いや、実際、カメラを勢いでバカみたいに買ったせいで、僕の財布は今かなり厳しいんですが…

──(笑)

倉坂 ちょっとね、クラファンでカメラのお金ください!!とか…やろうかな?って一瞬、悩んだし(笑)

──そんだけ言ってるのに、悩んだんだ(笑)

倉坂 一応ね (笑) ただ、カメラを買ったのも…配信ライブに必要だからっていうのもあったんですけど…

──はい

倉坂 ”配信にカメラが必要だ!買わないと…”ってなってた頃には、今回のこの”Basent Brew Music Clubっていう企画をやっちゃおう!”って決心はしてたので、自己投資的に…お金を使うんなら今だろ!って勢いで…

──勢いなんですね(笑)?

倉坂 勢いですよ!…で、クラウドファンディングなんかしなくても、この企画が上手くいってお客さんにも楽しんでもらえるようなら、カメラ代ぐらいはなんとか回収できるかな…?という、丼ぶり勘定もあったりで。

──あ、なるほど

倉坂 こう…、バンドのファンの人に楽しみを提供したり、バンドにもそこそこメリットを感じてもらえるような…バンドの宣伝にもしっかりなるようなものを作って、お金を回収できるのが一番、健全ではあるじゃないですか?

──たしかに

倉坂 だから、かっこいいことも言いましたけど…、なんとかお金を稼がないと…ってのもこの企画をはじめた一つのキッカケではあります。…ちょっとカッコ悪いけど(笑)

──カッコ悪くはないですけど…(笑) でも、大阪府から配信事業の助成金って出てませんでしたっけ?カメラのお金ぐらいは出たんじゃないですか?

倉坂 あ、あれはね…勘違いしてる人も多いんですけど、イベントの制作費の助成金なんですよ。機材の購入費みたいなのは出ないので…

──あ、そうなんですね

倉坂 まぁ、助成金には関してはめちゃくちゃありがたかったですけどね。で、そもそも…このBasement Brew Music Clubをやりたい!ってのもあって個人で購入した機材ですしね。

──なるほど。カメラの購入費はおりないんですね…

倉坂 だから…先々までは未定ですけど、少なくても年内いっぱいは、この Basement Brew Music Club というサイトを続けようと思ってるのでね。2000円でログインのIDを買っていただけたら半年間ぐらいは色んなバンドの映像が見放題…って感じでできたらと思ってます!

──はい

倉坂 ライブドキュメンタリーのストリーミングサービス…みたいなイメージで…知らなかったバンドに出会ってもらうキッカケにもなれば嬉しいんで。なにとぞ、よろしくお願いします!

──カメラ代のためにも(笑)

倉坂 はい(笑)

──具体的には、どんなバンドが参加してくれる予定なんですか?

倉坂 ああ…口約束段階の人が多いので、具体的には…

──KANA-BOONは?

倉坂 無理でしょ(笑)

──(笑)

倉坂 あ、でもね、ヤバT に出てもらいかも!…一応、ヤバTの小山がMV撮影でカメラを回してるのを横で見てて…かっこいいなぁ…みたいな憧れもあったので。映像に関しては彼は心の師匠です。別に何も教わってないけど(笑)

──師匠にいつの日か出てもらいたい?

倉坂 はい。なのでこの企画に…ヤバT に出てもらうのが夢です(笑)もちろん、KANA-BOONにも(笑)

Basement Brew Music Club という名前の由来

──では最後に、”Basement Brew Music Club”というタイトルの由来っていうのはあるんですか?

倉坂 はい。いつも…適当にタイトルをつけがちな僕にしては珍しくありますよ。

──はい

倉坂 その昔、アメリカに Homebrew Computer Club というハッカーの集まりがありまして…今みたいにパソコンが普及するずっと前の話ですね。たぶん70年代。

──はい

倉坂 スティーブ・ジョブズの伝記とか読んでたら、たぶん最初の方に出てくると思うんですけど…スティーブ・ジョブズとかね、スティーブ・ウォズニアックとか…コンピューター関係でのちのちスゴくなるような人もいっぱい参加してた集まり。

──へー!!

倉坂 その Homebrew Computer Club にあやかって、Basement Brew Music Club ですね。Homebrew(自家醸造)ならぬ、Basement Brew(地下醸造)。

──地下醸造?

倉坂 ライブハウスという名前の地下室で、いつだって泣き笑いして切磋琢磨しながら音楽を作り続けてる
まるで、地下で音楽を醸造し続けてるみたいな僕らになんだかピッタリじゃないか!…みたいな。

──で、FROM THE BASEMENT…?

倉坂 そうそう。あと “FROM THE BASEMENT” の影響と…(笑)

──わかりやすい(笑)

倉坂 だから、Basement Brew Music Clubから、スティーブ・ジョブズみたいな…偉業を達成するバンドがのちに生まれることを願ってます。

──ありがとうございました。最後に何かありましたら

倉坂 はい。色々と言いましたけど…楽しいことしたいんですよね。根本はそれ。

この場所でとにかく楽しんでください。ここは誰も知らないライブハウスのもうひとつの顔。

Basement Brew Music Club へようこそ!!

──かっこよく閉ったところで…

倉坂 はい。ありがとうございました。

(2020.06.13)

Vol:00 -Sample- Naoki Kurasaka

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